目の渇き」「疲れ」「違和感」「不快感」といった眼症状だけでなく、「頭痛」「肩凝り」「倦怠感」などの全身の不調まで引き起こすドライアイ。
目の表面を覆っている涙の量や質の異常で起こり、水不足と油不足の2タイプに大別されます。
そして実は9割近くが油不足のドライアイと言われています。
上眼まぶた裏側に30~40個、下眼まぶた裏側に20~30個の油を出す腺(マイボーム腺)から油が分泌されて涙の油層をつくるのですが、マイボーム腺の油がつまったり機能が低下して油層が形成出来ないと目の表面の水分が蒸発しドライアイになるのです。
原因はスマホ、PCの長時間使用、コンタクトレンズ装着による目の乾燥、喫煙、脂肪分が多い食事の取り過ぎ、目元の不衛生(過度なアイメイクの汚れ)、まつ毛エクステで目の周りの洗浄不足など。
コロナ禍で私たちの生活環境は様変わり。
テレワークやオンライン授業が一般化し、目を酷使する時間が増加したことも一因です。
治療1 「セルフケア」
マイボーム腺のつまりを解消し炎症を抑えるには油の分泌を促す3ステップのセルフケアが有効です。
①洗浄する。②温熱マスクで目元を温める。③まつ毛の根本をマッサージする。
朝晩洗顔後、
①洗浄綿で両眼のまぶたのふちを数回を拭きます。マイボーム腺の出口を清潔にして油の出を改善するためです。
②目元を温めて固まった油を溶かして通りを良くします。レンジでチンしたホットタオルは温度が下がるのが早く、溶けた油もまた固まってしまいます。市販の温熱マスクは持続して温められるのでおすすめです。保温を5分間持続すると効果が上がります。
③2,3分目元をマッサージすると油が出やすくなります。
他にもまぶたをギュッとつむる、開けるを1,2分繰り返す眼瞼運動を1日数回するのも良いでしょう。
治療2「院内での治療」
1か月に一度の目安で来院していただき、まぶたの油を圧出します。
つまりが取れて油の出がさらに良くなりドライアイが改善します。多くの患者さんに効果があるとおっしゃっていただけている治療です。
治療3「点眼薬治療」
目薬を2種類つけていただきます。ひとつはマイボーム腺から油が出やすくなる目薬で、機能を改善します。もうひとつはドライアイの目薬です。つけることにより涙の量が増えうるおいを与えます。
朝から目が乾くのは油不足のドライアイ。夕方から目が乾くのは涙液減少型と考えられます。今までドライアイの目薬をつけても改善しなかった難治性のドライアイの方はぜひ、一度受診されてください。
2022年9月佐藤進眼科 Y.