2024年度 文部科学省の学校保健統計調査と、子どもの視力に関する実態調査の結果をお伝えします。
【視力の現状:文部科学省調査】
現在、裸眼視力1.0未満の子どもの割合は、学年が上がるにつれて増加しています。幼稚園児で4人に1人(25.0%)、小学生で3人に1人以上(37.9%)、中学生で5人に3人(61.2%)、高校生で7人に5人(71.6%)が視力1.0未満となっています。これらはすべて過去最高の数値です。
【小学生の実態調査】
小学生の約22%がメガネやコンタクトレンズを使用しており、その理由の7割が近視です。授業中に黒板が見えにくいなど、6割以上の児童が日常生活で不便を感じています。しかし、半数以上の親が子どもの視力低下による生活への影響に気づいていないのが現状です。
【視力低下の原因】
主な原因は、スマートフォンやタブレット、テレビゲームなどのデジタル機器の使用時間増加です。文部科学省も「家庭での端末や携帯の利用増加が、裸眼視力1.0未満増加の要因」と指摘しています。調査によると、視力の低い子どもはデジタル機器の使用時間が長く、逆に視力の良い子どもは外遊びの時間が長い傾向にあります。
【対策について】
驚くことに、約8割の親が子どもの目の健康対策を行っていません。
約2割の保護者が行っている対策事項を当院も推奨します。
・ 勉強や読書時の定期的な休憩を取る
・ 適切な明るさと視距離を確保する
・ 十分な睡眠時間を確保する
・ 外遊びの時間を増やす
・ デジタル機器の使用時間を管理・制限する
子どもの視力低下は年々深刻化していますが、適切な対策を取ることで予防や進行を防ぐことができます。特に保護者の方々の意識と取り組みが重要です。
お子さまの目の健康について気になることがあれば、お気軽に当院を受診ください。
佐藤進眼科 院長 佐藤進
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